ローカルフォルダをクラウドストレージに毎日自動でバックアップしたいなら、Rclone が手っ取り早い。手動でファイルをアップロードする作業は不要になる。

Rclone は Go で書かれたオープンソースのコマンドラインツールで、WebDAV・SFTP・S3 など多数のプロトコルに対応している。HStorage も WebDAV と SFTP に対応しているため、Rclone から直接接続できる。

Rclone とは

Rclone は「クラウドストレージ向けの rsync」と呼ばれることが多い。50 以上のクラウドストレージプロバイダーに接続でき、ファイルの同期・コピー・移動・削除・マウントといった操作を CLI から実行できる。

主な特徴:

  • Windows・macOS・Linux すべてに対応したシングルバイナリ
  • WebDAV・SFTP・S3・Google Drive・OneDrive など多数のプロトコルをサポート
  • --dry-run オプションで実際の操作前に内容を確認できる
  • --bwlimit で帯域制限、--transfers で並列転送数を制御できる
  • cron や Task Scheduler と組み合わせて定期実行できる

Rclone によるクラウドストレージ同期の仕組み

Rclone をインストールする

Linux / macOS

公式のインストールスクリプトを使う方法が最も手間がかからない。

sudo -v ; curl https://rclone.org/install.sh | sudo bash

macOS では Homebrew も使える。

brew install rclone

インストール後、バージョンを確認する。

rclone version

Windows

Winget が使える環境であれば、コマンド1行で完了する。

winget install Rclone.Rclone

または 公式サイト から ZIP をダウンロードして rclone.exe を任意のフォルダに置いてもよい。

HStorage(WebDAV)への接続を設定する

Rclone は rclone config コマンドで接続先(リモート)を対話的に設定する。

rclone config

実行すると対話メニューが表示される。以下の手順で HStorage を追加する。

  1. n を入力して新しいリモートを作成する
  2. リモート名を入力する(例: hstorage
  3. ストレージタイプの一覧が表示される。webdav を選択する(番号またはキーワードで選択可)
  4. WebDAV URL を入力する: https://webdav.hstorage.io
  5. ベンダーを選択する。一覧に HStorage がない場合は other を選択する
  6. ユーザー名を入力する(HStorage ダッシュボードの設定画面で確認できる)
  7. パスワードを入力する(同様に設定画面から取得する)
  8. 追加設定はそのまま Enter でスキップする
  9. y で設定を保存する

設定が完了したら、接続を確認する。

rclone lsd hstorage:

HStorage 上のフォルダ一覧が表示されれば接続成功だ。

SFTP で接続する場合

WebDAV より SFTP を好む場合は、ストレージタイプで sftp を選択し、以下を入力する。

項目
ホスト sftp.hstorage.io
ポート 49999
ユーザー名 ダッシュボードで確認
パスワード ダッシュボードで確認

ファイルを同期・コピーする

設定が完了したら、ファイルの転送コマンドを試す。

rclone copy — ファイルをコピーする

rclone copy はソースにあってターゲットにないファイルをコピーする。ターゲット側のファイルは削除されない。

# ローカルフォルダをクラウドへコピー
rclone copy /path/to/local hstorage:backup/

# 進捗を表示しながらコピー
rclone copy -P /path/to/local hstorage:backup/

rclone sync — 完全に同期する

rclone sync はソースと同じ状態にターゲットを揃える。ソースに存在しないファイルはターゲットから削除される。

rclone sync /path/to/local hstorage:backup/

注意: rclone sync はターゲット側のファイルを削除することがある。初めて実行する場合は --dry-run フラグで確認してから実行する。

rclone sync --dry-run /path/to/local hstorage:backup/

よく使うオプション

オプション 説明
-P / --progress 進捗をリアルタイム表示
--dry-run 実際には何もしない(確認専用)
-v 詳細ログを表示
--transfers=N 並列転送数(デフォルト4)
--bwlimit 1M 帯域を 1MB/s に制限
--exclude "*.tmp" 指定パターンのファイルを除外
--log-file /path/to/log.txt ログをファイルに書き出す

cron で定期バックアップを設定する(Linux / macOS)

毎日深夜に自動でバックアップを実行する設定を作る。

crontab -e を実行してエディタを開き、以下の行を追加する。

0 2 * * * rclone sync /path/to/local hstorage:backup/ --log-file /var/log/rclone-backup.log

この設定は毎日午前2時に実行される。

多重起動を防ぐには pgrep で既存プロセスを確認してから実行する方法が安全だ。

0 2 * * * pgrep rclone > /dev/null || rclone sync /path/to/local hstorage:backup/ --log-file /var/log/rclone-backup.log

Rclone の設定とスケジューリング

Windows でタスクスケジューラに登録する

Windows では「タスクスケジューラ」を使って定期実行を設定する。

  1. スタートメニューで「タスクスケジューラ」を検索して起動する
  2. 右ペインの「基本タスクの作成」をクリックする
  3. タスク名を入力する(例: rclone-backup
  4. トリガーを「毎日」に設定し、実行時刻を指定する
  5. 操作を「プログラムの開始」に設定する
  6. プログラムに rclone.exe のフルパスを指定する
  7. 引数に sync C:\path\to\local hstorage:backup\ を入力する

コマンドプロンプトで直接確認したい場合は、まず手動で実行してエラーがないことを確認してから登録する。

実用的な使い方のパターン

プロジェクトファイルのバックアップ

開発作業フォルダを毎時間クラウドに同期する。

rclone sync ~/projects hstorage:projects-backup/ --exclude ".git/**"

.git フォルダは除外することで、不要なデータ転送を避けられる。

特定の拡張子だけバックアップする

画像ファイルだけをバックアップする場合は --include で絞り込む。

rclone copy ~/Photos hstorage:photos/ --include "*.{jpg,jpeg,png,heic}"

帯域制限をかけて業務時間中に実行する

日中の業務を妨げないよう、帯域を制限して実行する。

rclone sync ~/documents hstorage:docs/ --bwlimit 500k

500k は 500KB/s の意味だ。

HStorage の WebDAV 設定を確認する

HStorage のダッシュボードから WebDAV 接続情報を確認できる。

  1. ダッシュボードにログインする
  2. 「設定」を開く
  3. WebDAV セクションで URL・ユーザー名・パスワードをコピーする

WebDAV はビジネスプランまたは買い切りプランで利用できる。初めての場合は接続情報をメモしてから rclone config を実行する。

まとめ

Rclone を設定すれば、クラウドストレージへの定期バックアップから手動作業がなくなる。

手順は4ステップで完結する。

  1. Rclone をインストールする(brew install rclone または winget install Rclone.Rclone
  2. rclone config で HStorage の WebDAV 接続を設定する
  3. rclone sync --dry-run で動作を確認する
  4. cron またはタスクスケジューラで定期実行を登録する

HStorage は WebDAV と SFTP に対応しているため、Rclone から直接接続できる。一度設定すれば、あとは自動で動く。

HStorage の詳細は hstorage.io で確認してほしい。